プロの力量

巻の蛙

私の職場では、朝礼だけでなく、昼礼まであり、いつも、当番制で『職場の教養』の内容を要約し、自分に直接結び付けて話をまとめたりして発表したり、新聞の記事をまとめ、仕事に関連づけて話したり、といったことが行われている。当番になるとお昼休みがそれをまとめるので大変だ。つい最近、お盆明けのとある昼休みに突然、私の番になることがきまりどーしよう!!!と新聞の記事をさがしていると、素敵な記事にでくわした。

>>美容師さんありがとう              朝日新聞〜「ひととき」より
病気の薬の副作用で,髪の毛が抜け落ち,昨夏からウイッグ(かつら)をつけた.体調が優れないうえに,「髪型を変えたの」と聞かれるのが嫌で外出も億劫になった.
薬が変わり,この丸には前髪だけのウイッグになった.生えてきたのは,柔らかいくせっ毛だけで,「かたい,まっすぐな髪だったのに」と鏡を見るたびに憂鬱になった.本当の自分では,ないような違和感から,帽子が手放せない日々が続いた.きちんとカットしてもらおうと,奮発して今までとは違う美容室へ.料金表を見て一瞬迷ったが思い切ってドアをあけた.ちょうど手の空いていたマネージャーさんが担当してくれた.帽子と一緒にウイッグをとっても驚かなかった.他にも同じように悩んでいる人がいるといい,副作用のことを話すと体調も気遣ってくれた. ショートカットが好きでない私の気持ちを見透かしたように「ショートで大切なのは,年齢に関係なく,かわいらしさです」といい,はさみをいれながら「柔らかく,くせっ毛の法がまとめやすくて良いんですよ」と,家でのセットの仕方も丁寧に教えてくれた.腕前だけでなく,気持ちをくんでくれるプロの力量に感激した.たかが髪の毛が,明るい気持ちで日々をすごせる幸せをかみしめている.(神奈川県,臼井 裕子さん)